連携企画:

City to City 2021:

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「The Portal」

カリ、長沙、札幌に住む私たちは、物理的に会うことが難しい社会情勢の中、想像を往復させて「The Portal」を生みました。
 この作品は、オンラインで完結でき、かつオンラインとリアルの差を埋め得るARを通して「お互いの都市を見る」ことをコンセプトとしています。私たちは1つのバーチャルな空間をそれぞれの都市に置くことで分散させ、記録によってそれをまたバーチャルなものにしました。
 札幌市の代表作家・岡碧幸がARシステムの構築やデモンストレーション動画の撮影を、長沙市の代表作家・Yilin Wangが音楽を、カリ市の代表作家・Mauricio Diazがデザインを担当しました。
 ARコンテンツには、各作家の出身国の文化的背景をすべて融合させたモチーフや音楽が組み込まれています。これらは、都市の写真やレコーディングした環境音などの素材を共有し合い、訪れたことのないお互いの都市についてイメージを膨らませて作成されました。 なお、デモンストレーション動画は北海道大学で撮影されました。  オンライン上で、鑑賞者にも同じPortalが開かれています。同じバーチャルコンテンツは、異なる場所の想像へと通じています。

岡 碧幸

札幌市

札幌市生まれのアーティスト。環境哲学と科学技術のリサーチを基に、記録やデータ、現象を詩的に組み合わせたインスタレーションや映像作品を作る。北海道大学農学部卒、英ロイヤルカレッジオブアート情報体験デザイン修了。主な受賞歴にSTRP Award for Creative Technology(2020)、WIRED Creative Hack Award Grand Prix (2021) 、展示歴に「遠い誰か、ことのありか」(札幌文化芸術交流センター SCARTS、2021)、「Künstlerische Projekte rund um den Olympiasee」(オリンピアパーク・ミュンヘン、2022)など。

Yilin Wang

中国・長沙市

サウンドデザイナー、オーディオ・エンジニア、作曲家。ヨーク大学(イギリス)で音楽技術の修士号を取得。現在、湖南放送にてオーディオ・エンジニアとして勤務。多くの監督、音楽家、アーティストとの協働経験あり。音響や音楽作品が、中国国内の音響制作コンテストにて5回以上1位を受賞している。

Mauricio Diaz

コロンビア・カリ市

アーティスト、クリエイティブディレクター、起業家、グラフィックデザインの専門家。カリのクリエイティブスタジオ・カクメン (Cacumen) の創設者兼ディレクターであり、マッピング、コンテンツ制作等の全国的なパイオニアとして、建築マッピング、バーチャルリアリティ開発、ホログラムなど70以上の技術的なアートプロジェクトを指揮している。